増圧給水設備とは?仕組みや受水槽方式との違いをプロが解説

皆さんこんにちは。 山梨県富士吉田市を拠点に、給排水衛生設備や空調設備工事を手掛ける柏和設備株式会社です。


「ビルの受水槽メンテナンス費を抑えたい」「増圧給水設備への切り替えを提案されたが、本当にメリットがあるのか知りたい」 そう思うことはありませんか?給水方式の変更は大きな工事となるため、費用対効果や導入条件について疑問や不安を抱えている方も多いでしょう。


実は、直結増圧方式へ適切に切り替えることで、衛生的でおいしい水を届けられるだけでなく、受水槽跡地を有効活用し、建物の資産価値を高めることが可能です。 この記事では、増圧給水設備の基本的な仕組みから、導入のメリット・デメリット、気になる費用相場や設置基準について詳しく解説します。 給排水設備の更新を検討されているオーナー様や管理組合様は、ぜひ最後までご覧ください。



■水道直結増圧方式の仕組み



道路の下を通る配水管から引き込んだ水に、専用のポンプで圧力を加えて各階の蛇口まで直接届ける給水システムです。巨大なタンクに水を貯める必要がないため、衛生的かつ省スペースな新しい給水方式として、多くの中高層マンションやビルで導入されています。


・受水槽方式との決定的違い

最大の違いは「水を貯めるタンクの有無」です。従来の受水槽方式や高置水槽方式では、敷地内の大きな貯水槽に一旦水を貯めてから各戸へ送っていたため、水質維持のために年1回の清掃や定期点検といった厳格な管理が義務付けられていました。 対して、この直結増圧方式は、配水管から来た水をタンクを経由させずに直接建物内へ引き込みます。空気に触れて塩素濃度が落ちることなく、水道局が管理する新鮮な水がそのまま蛇口から出るため、衛生面での信頼性が非常に高いのが特徴です。「貯め置きの水」から「流れてくる水」へと変わることで、おいしく安全な水を利用者に供給できます。


・増圧給水ポンプの役割

本来、道路にある水道管の水圧(直圧)だけでは、中高層階(およそ3階以上)まで水を持ち上げる力が足りません。そこで、給水管の途中にキャビネット型の増圧装置(ブースターポンプ)を設置し、不足している圧力を上乗せして高い場所まで水を運びます。 このポンプは常に全開で動いているわけではなく、住民が蛇口をひねって水圧が下がったことを感知した時だけ稼働し、使わない時は停止して圧力を監視する賢いシステムです。また、タンク設置型の設備と比較して非常にコンパクトなため、撤去した受水槽の跡地を駐車場や駐輪場として有効活用できる点も、建物オーナー様にとって大きなメリットとなります。



■直結増圧のメリットとデメリット



既存の受水槽を撤去して切り替えることで、維持管理の手間が減り、土地活用の幅も広がります。しかし、電気を使って水を送る仕組みである以上、避けて通れない弱点も存在します。設備更新における失敗を防ぐため、オーナー様が得られる利益とリスクの両面を整理します。


・衛生面と省スペース効果

常に新鮮な水道水を利用できる衛生面の高さは、入居者様の満足度に直結します。タンク内で水が滞留しないため、夏場でも水温が上がりにくく、残留塩素の減少による雑菌繁殖の心配もありません。 運用面では、毎年の義務である貯水槽清掃や定期的な水質検査が不要になるため、長期的なランニングコスト(維持費)を大幅に削減できます。また、敷地を占領していた受水槽と、屋上の重量物である高置水槽を撤去できるため、建物の耐震性が向上するほか、空いたスペースを増築や駐輪場増設に充てる事例も増えています。


・停電時のリスクと対策

もっとも懸念されるのが、停電時にポンプが停止し、断水してしまうことです。水槽に溜め置きがないため、電気が止まると同時に蛇口から水が出なくなる可能性があります。 この対策として、現在の増圧ポンプには「直圧バイパス機能」が標準装備されていることがほとんどです。これはポンプが止まっても、水道管が元々持っている圧力だけで届く範囲(低層階)には水を流し続ける仕組みです。さらに不安な場合は、非常用発電機の設置や、災害時用に緊急遮断弁付きの受水槽をあえて残す「併用方式」を検討することも可能です。


■設置基準と導入可能な階数



増圧給水設備は、希望すればどの建物にも導入できるわけではありません。地域の水道本管(配水管)の状況や建物の高さによって、物理的・法的に設置が制限される場合があります。計画を進める前に、所轄の水道局と十分な協議を行い、許可を得る必要があります。


・何階まで給水可能か

一般的に、直結増圧式給水方式で水を送ることができる高さは、10階から15階建て程度(40m〜50m前後)の中高層マンションやビルが目安です。 ポンプの性能自体は向上していますが、あまりに高層へ水を押し上げようとすると、ポンプ自体が巨大化し、振動や騒音の原因になります。また、高層階で必要な水圧を確保しようとすると、逆に低層階の給水管にかかる圧力が強くなりすぎて、配管や蛇口の破損を招く恐れもあります。そのため、タワーマンションのような超高層建築では、増圧ポンプを多段設置したり、他の方式を併用したりする設計が求められます。


・必要な配管口径と条件

導入の最大のハードルとなるのが、道路の下を通る「配水管」と、敷地内に引き込む「給水管」の太さ(口径)です。 増圧ポンプは、水道本管から水を勢いよく吸い上げる仕組みです。もし、引き込み管の口径が細すぎると、一度に大量の水を吸い上げた際、近隣住宅の水道水圧が急激に下がるなどの悪影響(負圧など)を及ぼす可能性があります。近隣への供給を守るため、水道局は「前面道路の配水管口径が◯mm以上であること」といった厳しい設置基準を設けています。この基準を満たさない場合、まずは道路の配管を太くする本管工事から検討しなければなりません。


■導入費用と点検メンテナンス



導入にはまとまった初期投資が必要ですが、長い目で見ると受水槽の清掃費削減などのコストメリットも生まれます。ここでは、一般的な工事費用の目安と、法令や条例で定められている設置後の点検ルールについて解説します。


・工事費とポンプ価格相場

受水槽方式から増圧直結給水方式へ切り替える場合の総工事費は、小規模なマンションでも150万円前後、中規模以上では200万円〜400万円程度が一般的な相場です。 この費用の内訳で大きなウェイトを占めるのが「増圧給水ポンプユニット」の本体価格です。メーカーや馬力(給水戸数や高さ)によりますが、本体だけで80万円〜150万円ほどかかります。 これに加え、既存の受水槽を解体・撤去する費用、配管をポンプにつなぎ直す工事費、ポンプを動かすための電気工事費が必要です。配管経路が複雑な場合や、道路部分の工事が必要な場合はさらに費用が変動するため、必ず専門業者による現地調査と見積もりが必要です。


・増圧給水設備の点検義務

「受水槽がなくなればメンテナンスフリーになる」というのはよくある誤解です。貯水槽清掃の義務はなくなりますが、代わりに「増圧給水ポンプの定期点検」が必要になります。 多くの自治体(水道局)の条例により、1年以内ごとに1回の定期点検が義務付けられています。これは、機械が正常に圧力を制御できているか、逆流防止装置(逆止弁)が機能しているかを確認し、水道水の安全を守るための重要な作業です。 また、ポンプは精密機械であるため、設置から10年前後でオーバーホール(分解整備)やユニットごとの交換時期を迎えます。日々の管理コストは下がりますが、将来の機器更新に備えた修繕積立金の計画は引き続き必要です。


■まとめ


増圧給水設備(直結増圧式給水方式)は、従来の受水槽方式と比べて「衛生的な水の供給」や「敷地の有効活用」、「メンテナンスコストの削減」など多くのメリットがある優れたシステムです。 一方で、導入にあたっては水道本管の水圧や口径の調査、ポンプの選定、停電対策など、専門的な知識に基づいた慎重な判断が求められます。特に、既存の受水槽を撤去するタイミングや、断水を伴う工事のスケジュール調整は、住民の皆様の理解と協力が不可欠です。


建物の資産価値を高め、入居者様に安心安全な水を届けるために、切り替えをご検討のオーナー様や管理組合様は、ぜひ一度、給排水設備のプロである私たちにご相談ください。現地調査から水道局との協議、施工、アフターメンテナンスまで、ワンストップでサポートいたします。


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