給水設備の種類と選び方|全4方式の特徴をプロが解説

皆さんこんにちは。

山梨県富士吉田市を拠点に、給排水衛生設備や空調設備工事を手掛ける柏和設備株式会社です。


建物の給水設備を更新する際、「今の受水槽方式を続けるべきか、それとも直結方式へ切り替えるべきか」と悩むことはありませんか?コスト削減や衛生面を考慮すると直結方式が魅力的に見えますが、水圧や災害対策の面でどちらが最適か判断に迷う方も多いでしょう。


そこで今回は、プロの視点から「4つの給水方式の違いと選定基準」を中心に、給水装置との法的区分の違いや、更新工事で押さえるべき技術的要点までを徹底解説します。設備の老朽化にお悩みのビルオーナー様やマンション管理組合の方、企業の設備担当者はぜひご覧ください。



■給水装置と給水設備の法的区分


ビル管理やマンション運営において、どこからが個人の所有物で、どこまでが水道局の管理下なのかを正確に把握することは重要です。この境界線を誤解していると、漏水トラブルや設備更新の際、予期せぬコスト負担や責任問題に発展しかねません。まずは法的な定義と実務上の境界を明確にします。


・給水条例に基づく責任分界点

水道法において「給水装置」とは、道路の下を通る太い配水管(本管)から分岐して、敷地内の蛇口に至るまでの給水管や給水用具全体を指します。一見するとすべて水道局の設備のようですが、原則としてメーターを除くこれら一式は建物所有者の財産です。


特に注意が必要なのは、給水方式による区分の違いです。水道直結方式であれば末端までが給水装置ですが、受水槽方式を採用している建物では、受水槽への注ぎ口(ボールタップ等)までが給水装置と見なされます。それ以降の受水槽、給水ポンプ、高置水槽、そして各戸へ送られる配管などは、純粋な「流末装置(私有の給水設備)」として扱われるのが一般的です。この責任分界点を境に、自治体による修繕対応の可否が変わるため、自身の建物がどの方式で接続されているかを確認しておく必要があります。


・管理区分とメーターの取り扱い

維持管理の実務で鍵となるのが「水道メーター」の存在です。通常、課金用のメーターは水道局からの貸与品であり、計量法に基づき8年の有効期限で定期的に交換されます。しかし、メーターを収めるボックスや前後の止水栓、バルブの管理・交換は建物所有者の義務となります。


さらに複雑なのが、受水槽方式の集合住宅における「親メーター」と「子メーター」の関係です。多くの場合、敷地入り口の大元にある親メーターのみが水道局の検針対象となり、各部屋に設置された子メーターは所有者が設置した私物となります。この場合、子メーターの検針、料金徴収、そして有効期限管理や交換工事まで、すべて管理組合やビルオーナーが計画的に行わなければなりません。ここの管理が漏れると、料金トラブルや予期せぬ断水リスクを招くことになります。



■建物に適した4つの給水方式



建物の規模や用途、階数によって最適な水の供給ルートは異なります。かつては貯水槽を経由する方式が主流でしたが、近年は衛生面やメンテナンス性を重視し、自治体も水道本管からの直結化を推奨する傾向にあります。しかし、すべての建物で直結が可能わけではなく、水圧や使用水量、災害時の対応力に応じた慎重な選定が不可欠です。


・水道直結・増圧給水の仕組み

道路の水道本管から引き込んだ水を、途中で貯留せずにそのまま各戸の蛇口へ届けるのが直結方式です。低層階向けには本管の水圧のみを利用する「直圧直結方式」が、中高層マンションやビル向けには、給水管の途中に増圧ポンプを設置して圧力を高める「増圧直結給水方式」が採用されます。


最大のメリットは、受水槽が不要なため敷地内のスペースを有効活用できる点と、新鮮な水が供給される衛生面の良さです。ただし、増圧ポンプは電気で作動するため、停電時には水が出なくなるデメリットがあります。また、地域ごとの本管の水圧状況や口径によっては設置が許可されないケースもあるため、事前の協議が必要です。


・受水槽方式の特徴と採用基準

敷地内に設置した受水槽(タンク)に一度水を貯め、そこから各フロアへ送水する方式です。一度に大量の水を使用する工場や大型施設、あるいは水圧が不安定な地域で安定した水量を確保したい場合に適しています。


この方式の強みは「水のストック」があることです。本管が断水した場合や災害時でも、タンク内に残っている水は生活用水やトイレ洗浄水として一時的に利用可能です。一方で、貯水槽の有効容量が10㎥を超える場合、水道法により年1回の清掃や水質検査といった法定点検が義務付けられています。適切な管理を怠ると水質汚染のリスクがあるため、維持管理コストとのバランスを考慮する必要があります。


・高置水槽・圧力タンクの比較

受水槽から先へ水を送る方法にも種類があります。「高置水槽方式」は、揚水ポンプで屋上の水槽まで水を上げ、重力を利用して下に落とす仕組みです。水圧が一定で、制御が単純なため故障が少ないのが特徴です。停電時でも屋上タンクの水が尽きるまでは使用できます。


対して「圧力タンク方式」や「ポンプ直送方式」は、屋上タンクを設置せず、地上から圧力タンクやインバータ制御ポンプで直接加圧して送水します。屋上の景観を損なわず、建物の構造負担を減らせるメリットがありますが、ポンプや制御盤の精密なメンテナンスが求められます。最近では、圧力変動の少ないインバータ制御のポンプ直送方式への改修工事が増えています。



■主要機器と工事の技術的要点



給水方式が決まれば、次はそれを構成する「部材」と「機器」の選定が重要になります。配管の材質やポンプの能力は、建物の寿命やランニングコストに直結する要素です。適切な機器選定と、時期を見極めた更新工事を行うことは、漏水事故や突発的な断水を防ぎ、資産価値を維持するために欠かせません。


・給水管・ポンプの選定基準

かつての給水管は亜鉛メッキ鋼管が主流でしたが、経年による内部の錆(赤水)の発生が大きな課題でした。現在は、耐食性に優れた硬質塩化ビニルライニング鋼管やステンレス鋼管、あるいは施工性の高い架橋ポリエチレン管などの樹脂管への切り替えが標準です。特に錆びにくい材質を選ぶことは、将来的な管内清掃や水質検査の手間を減らすことにも繋がります。


ポンプ選定においては、「全揚程(水を持ち上げる高さと配管抵抗の合計)」と「吐出量(送り出す水量)」の適正な計算が不可欠です。既存ポンプの型番通りに交換するだけでなく、現在の入居率や使用水量の変化に合わせて能力を再計算することも重要です。インバータ制御などの省エネ性能が高い機種を選ぶことで、電気代の削減や、急激な圧力変化によるウォーターハンマー(衝撃音)の抑制も期待できます。


・更新工事の判断と耐用年数

設備機器には、法定耐用年数とは別に、物理的な限界が来る「実質的な寿命」があります。一般的に、給水ポンプや受水槽は設置から10〜15年、給水管は20〜25年が大規模な修繕や更新の目安です。特にポンプは、軸封部(メカニカルシール)からの水漏れや異音が発生し始めたら、完全な故障による断水事故が起きる前に交換を検討すべきです。


配管の老朽化対策には、新品に入れ替える「更新工事」と、既存管の内側を樹脂でコーティングして錆を防ぐ「更生工事(ライニング)」の2種類があります。更生工事はコストと工期を抑えられますが、あくまで延命措置であり、配管自体の強度が戻るわけではありません。漏水リスクの頻度や、建物自体をあと何年維持するかという長期計画と照らし合わせ、抜本的な取り替えが必要か、更生で十分かを診断する必要があります。


■施工に必要な資格と法的義務



給水設備の工事は、人々の健康に直結するライフラインを扱うため、誰でも行えるものではありません。水道法により厳格な資格要件と事業者の指定制度が定められています。また、設置後の管理においても法律に基づいた定期的な点検が義務付けられており、適切な資格保持者による施工と管理体制を整えることは、コンプライアンス遵守の観点からも必須事項です。


・給水装置工事主任技術者の責務

水道工事を行う会社が、各自治体の水道局から「指定給水装置工事事業者」として認められるためには、営業所ごとに国家資格である「給水装置工事主任技術者」を選任・配置することが絶対条件です。


・法定点検と維持管理の重要性

設備は設置して終わりではありません。特に受水槽の有効容量が10㎥を超える「簡易専用水道」に該当する場合、水道法に基づき、1年以内ごとに1回の貯水槽清掃と、厚生労働大臣の登録検査機関による法定検査を受けることが義務付けられています。



■まとめ


給水方式の選定は、ランニングコストや災害対応力に直結する重要な経営課題です。 近年は直結給水が主流ですが、建物の状況次第では受水槽方式の維持やインバータポンプへの更新が最適なケースも多々あります。


重要なのは、トラブルが起きる前の計画的な修繕と、法令に基づく点検です。確かな技術を持つ指定工事店による施工・管理こそが、入居者の安心と資産価値を長く守る鍵となります。設備更新や方式変更のご相談は、ぜひ専門的な現地調査からご依頼ください。



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柏和設備株式会社は、山梨県富士吉田市を拠点に、人々の暮らしに欠かせない給排水衛生設備や空調設備の工事を手掛けています。創業から40年以上にわたり、「見えない部分こそ丁寧に」という誠実な施工と確かな技術力で、地域のお客様から厚い信頼をいただいてきました。


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