設備工とはどんな仕事?仕事内容・必要スキル・キャリアの広がりを解説

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トイレで水が流れ、夏は涼しく冬は暖かい──そんな快適な空間は、実は多くの設備工の仕事によって支えられています。設備工とは、建物に必要な給排水、空調、衛生、消火といった設備を取り付けたり、メンテナンスしたりする職人のこと。建築現場や既存の施設において、図面に沿って配管や機器を設置し、生活や業務に欠かせない機能を整えるのが主な役割です。表舞台に立つことは少ないかもしれませんが、なくてはならない存在です。


設備工の仕事は専門性が高く、知識と技術の両方が求められます。しかし未経験からでも始められる職場が多く、経験を積む中で確実にスキルが身についていくのがこの仕事の魅力です。まずは「設備工とは何か」を知るところから、自分の将来を考えるきっかけにしてみてください。




何を扱い、どんな仕事をするのか。設備工の業務範囲

設備工が関わるのは、建物の中に張り巡らされる「見えないインフラ」です。扱うものは多岐にわたり、たとえば給水管や排水管、給湯設備、冷暖房用のダクト、衛生器具、消火栓、ガス配管などが含まれます。どの設備も、建物を快適かつ安全に使うために欠かせないものです。


具体的な業務としては、新築建物への配管工事、既存建物の設備更新、点検や修繕といったメンテナンスが挙げられます。図面を読み取り、寸法通りに配管を切断・接合し、勾配や圧力といった物理条件を考慮して施工を進めていく必要があります。そのためには手先の器用さだけでなく、機器や素材に対する知識、施工順序の理解も求められます。


また、建設現場では他職種との連携が重要です。設備工は、電気工事や大工工事など他の工程と並行して作業することも多く、段取り力やコミュニケーション力も仕事の一部と言えます。




現場で求められるスキルとは。手に職をつけるために必要なこと

設備工に必要なスキルは、単なる作業技術だけではありません。まず、図面を正確に読み取る力が重要です。設備の位置やルート、機器の仕様などがすべて図面に記されているため、それを理解できなければ施工が成り立ちません。経験を重ねることで、より複雑な構造もスムーズに把握できるようになります。


次に、工具の扱いに関する知識と精度。配管の接合、溶接、ねじ切り、計測といった作業には、道具の正しい使い方と緻密な作業が求められます。安全面への配慮も欠かせず、防護具の使用やガス・水圧の管理、火気の扱いなどには特に注意が必要です。


そして、法令知識も大切です。建築基準法や消防法、水道法など、各種設備に関わる法規制が存在し、それに適合した施工が求められます。たとえば、配管の太さや材質、施工方法が法律で定められているケースもあります。


こうした知識と技術は、現場でのOJT(実地研修)と自主的な学習の両方で身につけていくものです。資格取得が必要な場合もありますが、多くのスキルは日々の積み重ねの中で養われていきます。




設備工の働き方はひとつじゃない。現場と職場の多様性

設備工として働く場は、実にさまざまです。ゼネコンが管理する大規模な建設現場、地域密着の設備工事会社、公共施設の保守管理部門など、現場の規模や業種によって仕事内容も環境も大きく異なります。


たとえば、大手建設現場では役割が細分化されており、特定の工程や設備に特化して働くことが多くなります。一方、地域の設備会社では、新築からリフォーム、修繕対応まで幅広く対応するため、仕事のバリエーションが多く、現場ごとの判断力や柔軟性が問われます。


また、働き方にも選択肢があります。正社員として腰を据えて働く人もいれば、フリーランス的な立場で現場を渡り歩く人、企業に属しながら現場監督や管理者として活躍する人もいます。資格や経験を積むことで、施工管理技士として現場を指揮したり、事業主として独立したりする道もひらけます。


自分に合った働き方を見つけるには、まず現場を体験し、どんな業務にやりがいを感じるのかを見極めることが第一歩です。どのような設備に関わるのか、どんなチームで働きたいのか。そうした視点で職場を選ぶことが、長く続けられる仕事につながっていきます。




キャリアの広がりをどう描くか。設備工の成長ルート

設備工は、「現場作業だけ」の職種ではありません。むしろ、経験を積んだ人こそ次のステップに進みやすい、キャリアの広がりがある仕事です。


たとえば、一定の実務経験を積むことで「給水装置工事主任技術者」や「管工事施工管理技士」などの国家資格の受験が可能になります。これらの資格を取得すれば、現場での責任ある立場を任されるようになり、待遇面でも差が出ることが少なくありません。実際、多くの現場では有資格者の配置が必須とされており、仕事の安定性や幅にもつながります。


また、現場を経験したあとに、施工管理や安全管理、積算(見積もり作成)など、オフィスワークに近い業務へシフトする人もいます。さらに、経験と実績を活かして独立する道もあり、個人事業主や会社経営者として活躍している人も多くいます。


柏和設備では、現場での経験をもとにステップアップを目指す人を歓迎しています。設備工として成長し、技術も視野も広げていきたい方は、ぜひこちらをご覧ください。

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はじめの一歩が未来をつくる。設備工を目指すあなたへ

専門的な技術が求められる設備工という職業。でも、最初からすべてを知っている必要はありません。図面の読み方も、工具の使い方も、現場での動き方も、すべては経験の中で学んでいくものです。


「自分にできるだろうか」と不安になるのは当然です。でも、手に職をつけるというのは、ひとつずつ積み重ねていくことでしか得られない強みです。設備工の仕事には、形に残るものをつくるやりがいや、人の暮らしに直結する責任の重み、そしてその分の誇りがあります。


もし、ものづくりの現場に興味があるなら。手に職をつけて長く働きたいと考えているなら。設備工という選択肢を、ぜひ候補に入れてみてください。

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